熱処理<ステンレス編>
2020年6月18日
◆ステンレスの場合
・マルテンサイト系
SUS410 タッピング類(SUS440C、SUS420J2等)
『真空窒化焼入れ焼戻し』・・・金属酸化を防止する為に真空中で加熱し、表面硬化の為の窒化処理とチッソガスによる焼入を行う。その後、焼戻し処理を行い脆性を回復させる処理のこと。
・簡単な流れ
『真空』焼入炉(1000℃)
↓
急冷(チッソガス)
↓
焼戻し炉(160℃~200℃)
◆豆知識
・オーステナイト系に焼入れすると?
一般に小ネジやBTによく使われるSUS304(305)やXM-7等のオーステナイト系の材質を焼入れを施すと上記の例とは逆に柔らかくなります。(これを固溶化という)この処理は主に圧造性、耐食性を向上させたり応力除去させたいときに用いられます。
・『ヤキパシ』とは?
メーカーによってSUS410のタッピングには『ヤキパシ』とラベル表示してありますがこれは、「焼き入れ後パシペート処理」を施している事を表しています。パシペート処理とはステンレスを錆びにくくする酸化クロム被膜(不動態被膜)を希硝酸に浸すことで科学的に作らせる処理の事で、基本的に錆びやすいSUS410の製品には上記の様な焼き入れ工程の後にこの処理が施されます。